実践カスタマーサクセス講座の感想を書いていくシリーズです。第1章はそのものカスタマーサクセスとは?です。
いきなりですが最初に質問です。
「カスタマーサクセス」に取り組むとお客様にとって何が良いのでしょうか?
この質問にサクッと答えられる方、どのくらいいらっしゃいますか?
もしかしたら、あまりいないのかも知れません。
では、質問を変えます。
「あんな企業になりたいなー」と思う憧れの企業ってありますか?
自分(=顧客)を大切にしてくれている企業とか、いろいろ回答があるのではないでしょうか?
講義では2013年のメリルリンチ社の反乱というsalesforce.com社の話が取り上げられました。
トレイルブレイザー: 企業が本気で社会を変える10の思考 - マーク・ベニオフ, モニカ・ラングレー - Google ブックス
ここではご自分でも調べて頂きたいので、詳細は省きますが、冒頭2つの問いの背景にある、記憶に良い印象で残る企業とはいったい何をしているのか?を考えて頂く質問だと考えています。そして、その記憶に残る良い企業というのは、間違いなくあなたの「成功」に寄り添ってくれていたのだと思います。
ここでいう成功とは、ある課題に対して達成したいと思っていた状態に、その企業との関わりがきっかけで向かうことができた、という体験なのだと思います。
課題がある状態=現状
達成した状態=Customer Outcome(CO)
達成までの道のり=Customer Experience(CX)
そこで
カスタマーサクセスの方程式 CS=CX+CO
と言われています。
上記のメリルリンチ社の反乱の話で言うとセールスフォース社は最初はメリルリンチ社本当の業務の目的を知らずに、言われたクレームに対して対応していました。しかし、それでは顧客が満足してくれないという状態から、顧客の本当の課題はもっと別のところにあるのでは?と考えるようになります。これのギャップを「成功ギャップ」と言います。お客様が発言した内容が、真の課題ではなく、その言葉が意味する真の課題を探り、解決に向かって伴走できる体験を提供する事がカスタマーサクセスでは大切になるのだと思います。
私自身はサービス企画をしているので、どうしてもサービスの機能という観点で売りを考えてしまいがちですが、カスタマーサクセスの世界では、機能が顧客の成果に繋がる部分は一部であり、顧客が解決したいと考えている課題はもっと大きく、サービスの外にもあるのだと考え、その差分を様々な方法で提供して、顧客が成果を得られるように伴走することがカスタマーサクセスである、という説明です。
ちなみにですが、B2Cの場合のカスタマーサクセスについてはインポートした別記事で書いたことがありますので割愛しますが、Apple Storeは言葉には残っていないもののカスタマーサクセスを体現しようとしたコンセプトの店舗だったのだと思います。
では、なんでこんな事を考えないといけないのでしょうか?別にたくさんの機能を提供していれば、顧客は喜ぶのではないでしょうか?そう考える人は続きを読んでみてください。
今ではカスタマーサクセスの発祥とも言われているセールスフォース社も、以前はパッケージ販売からサブスクリプションビジネスへ転換するも、チャーン率が高く、一年後にはほとんどの顧客がいなくなるのではないか?という状況だったそうです。サブスクだと、顧客が効果を感じ続けていないといつ解約されるかわからない状態二鳴ることを身をもって知ったわけです。そこで、顧客視点で製品を開発し、サービスを進化させていくことが、他社との競争優位性を維持する法則だと気付いたようです。
これをBox社のCCOであるジョン・ヘルシュタイン氏は別の観点から顧客に主導権が移った時代に入ったのだと説きます。サブスクリプション型なら、顧客はいつでも解約できるわけですから。もちろん最低利用期間とかありますけど。
主導権が顧客に移り→顧客はCOとCXが提供されるサービスを選択し→サービスを改善し価値提供し続けられる企業が競争優位を保つ
というモデルが成り立つようになったのだというわけです。
さて、ここまで読んでご興味をお持ちの方に質問です。
自社がカスタマーサクセスに取り組まないといけない理由は?
カスタマーサクセスに取り組む事で自社はどのような価値を提供出来るか
この2つの問いは、講義の次の週に用意された討議会の宿題です。もしご自分でも考えてみたいと言う方がいらっしゃいましたらコメント欄をアウトプットの場としてご活用ください。
講義の参加者はこのように出題される宿題に、時には悩みながらも、自分なりの回答を考える時間を持つ事で自分なりの考えをまとめていける4ヶ月でした。
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