クラブハウスフィーバー
iOSのみながら招待制、アーカイブ無し、利用規約で中で聞いた話は口外する事は禁じられている、と言うクローズドな雰囲気も相まって音声SNSとして2021年1月後半から急速に日本で認知度が高まったClubhouse(クラブハウス)にすっかりハマっている方も多いと思います。
そもそもWFHで家で仕事し始める方が増えてから、在宅勤務の間に音楽をかけてリラックスする以外に、Podcastやラジオをつける習慣になった方も多いようで音声メディアの消費時間は伸びておりClubhouseがバズる前の2020年末の日経クロストレンドのヒット予想にも「個人ラジオSNS」という形でラインクインしておりました。
21年は「音声版YouTuber」が続々 企業と消費者をゆるくつなぐ
こちらの記事ではSpoonやStand.fmなどが取り上げられておりましたが、Podcastやライブ配信のコンテンツをストック型でアーカイブが残せる既存のサービスと違い、クラブハウスの場合はライブ配信1本に絞ったアイデアと、スピーカー同士の同時発話での遅延の少なさ、音声品質が最初に感じた驚きでした。
しかし、下記の記事で解説されたとおり、技術的には「枯れた技術の水平思考」という横井軍平ライクな渋さも相まって、エンジニア含め多くの方を熱狂させる事になっているように思います。ただし、エンジニアが熱狂して似たようなサービスを作ってるというわけではないですが。
著名人らが連日大盛り上がりの「Clubhouse」 音声技術を丸裸に
ラジオと言えば音楽も流したい
Clubhouseでは著作権絡みの課題もあり、現状では自身の音声以外流せない規約になっています。そして、Clubhouse内で利用可能な著作権フリー音源が提供されているわけでも無く、音楽聴きながら作業に集中したいけど、たまに雑談もしたいという欲張りなニーズを満たしてくれる状況ではありません。
しかし、音楽クラスタな方に朗報です。
Spotify音源に限定されてしまうものの、そうした願望を叶えてくれそうなサービスが今回タイトルに記載した「Roadtrip.fm」です。もしかしたら音楽クラスタな方にはClubhouseよりこちらかも知れません。
公式サイトにブラウザ経由でアクセスすると、上記のような画面が現れます。Yesをクリックすると現在提供されているiOSアプリのダウンロードができるApp Store(開発者はBrian Wagner氏)に飛ばされ、Noをクリックすると、延々とループする質問攻めモードに入ります。
アプリはiPhone以外に、iPadでもインストール可能で、バージョン履歴を見る限り2020年から開発されていたようです。
アプリインストール後の利用開始手順ですが、Clubhouse同様に電話番号を入力し、SMSで認証コードを受け取ると、下記のようなコミュニティーガイドラインへの同意を求められます。
気にする方もいるでしょうからキャプチャを取っておきましたが、日本時間で2021年2月11日現在のコミュニティーガイドラインは下記となってます。
他に気にする方も多いでしょうから、利用規約とプライバシーポリシーについてもリンクを載せておきます。割とグーグル翻訳の活躍が期待出来るシンプルな英語です。このエントリーを書いている時点の規約更新日は2020年5月22日となってます。
同意して先に進むと次はSpotifyアカウントとの連携となります。APIを利用するからなのかは不明ですが、どうやらSpotifyの有料会員しか使用出来ないという情報もあるのですが、この手のテッキー且つ音楽の話題がお好きな方なら、当然契約していると思いますので、問題ないと思います。
使い方と部屋のイメージ
アプリの使い方の解説とかは既にnoteで詳しく解説なさっている方がいるのでリンク先をお読み頂く方が良いかと思います。
【Roadtrip】好きな音楽を知り合いと共有して聴けるアプリの紹介
Clubhouseが1つのスタンダードになっている状態から考えると差分は
部屋にいる人に同じ楽曲が再生される
トーク以外にルーム内のDJとして音楽もコントロール可能
チャット可能
任意のタイミングでプリセットの効果音が出せる
コラボレーション機能でプレイリストの編集もOK
あたりだと思います。
あいにく1人1ルームしか作れず、別の部屋に移動した場合は自分の部屋の音楽が止まってしまいます。そして、次に部屋に入った人が強制的にDJにアサインされる仕様です。
イメージとしては各部屋にDJ機材が置いてあって、DJがいればその音を楽しんだり、スピーカーとして会話を楽しめますし、たまたま誰もいない部屋に入った場合は置いてある機材を使って自分でスピンする、という感じでしょうか。
積極的に音楽聴きたい人なら別に困らない気もしますし、ラジオっぽく色々ザッピングしたい人にとっては、入室したらいきなりDJデビューという面白い状況になる場合もあるので、受け取り方次第では単純にSpotifyのアカウントから公開プレイリストをフォローして聴きたいという方もいるかも知れません。
そもそもSpotifyでご自身が作っているプレイリストや視聴状況が公開されている事を意識していない方もいる気がしますが、このRoadtrip.fmは元々Spotifyが用意しているAPIを活用して、音声SNS機能と組み合わせたサービスに仕立てたアプリなので、本家Spotifyの拡張版みたいな位置づけで考えた方が良いかも知れません。規約的にも音楽を聴くメインのはずのSpotify部分はばっさり書かれていませんので、Spotifyサービスの上に被さるキュレーションサービスと言う位置づけで認識しておくと今の段階の理解としては妥当なのでしょうか。
そんなRoadtrip.fmではiOSに加えて、Androidアプリの開発者も募集しているようですので、採用が進めばAndroidスマホの方にも拡がるのかも知れませんね。Notionで公開されているところが今っぽいです。
Roadtrip上のキュレーターを紹介するBotも誕生
Twitterで試しに作ったルームの情報を共有したところ、こちらのRoadtripperという非公式Botが動いている事を知りました。本家のTwitterアカウントはこちらですので、サービスそのものにご興味をお持ちになった方は是非フォローしておくと良いと思いますが、現在のアプリのUIでは全く新しい音楽キュレーターとの出会いも難しいので、日本語情報で他のユーザーを知るきっかけとしてはBotの方が有用かもしれません。
まだまだアプリケーションとしての安定度も、サービスとしての洗練度も磨きをかける必要がありそうで、サポートの窓口がメールだけな点から見ても、Spotifyあたりが資金投入して育ててあげた方が良い気もしますが、音楽クラスタな方にとってはユーザーとなって応援しつつ、開発動向に注目しておいても良いサービスかも知れません。
当方のRoadtrip.fmのアカウントは@shugoです。宜しければフォローしてくださいませ。